目的によって変わります
友達に出す電子メールの日本語、ビジネス文書の中の日本語など、目的に応じて異なる言葉づかいになります。したがって、特許出願書類(特許請求の範囲・明細書など)にも、それに応じた日本語を使います。では、特許明細書では、どういった日本語が必要になるでしょうか。
発明の技術を正確に
特許明細書は、特許を取得するまで、及び特許取得後、特許の権利範囲を解釈するために参照されます。そのため、特許明細書には、明瞭・正確に、発明の技術を記載する必要があります。技術を正確に記載するには、その技術分野の専門用語(名詞・動詞・形容詞・副詞)を正確に使う必要があります。
例.(?)送信機は、受信機へデータを通信する。---- (OK)送信機は、受信機へデータを送信する。 -あるいは- (OK)送信機は、受信機と通信し、データを送信する。
特許実務を意識して
特許請求の範囲の補正では、最初から特許明細書や図面に明確に記載されている事項のみを特許請求の範囲へ追加することができます。
- 1文1文、主語・述語・目的語の関係を明確に記載します。もの(主語)ともの(目的語)との関係を明確にするためです。したがって、受動態は多用しません。
- ものの特徴(主に形容詞・副詞)を記載する場合、比較対象を明記します。
例1.(?)データは受信機へ送信される。 ---- (OK)送信機は、受信機へデータを送信する。
例2.(?)自動車の速度が高い。 ---- (OK)自動車の速度が、自転車の速度より高い。
「自転車の速度」という比較対象があると、「自動車の速度」に関する特徴が得られます。
直感的に理解可能な表現をつかう
二重否定などは避ける。また、必要がなければ、否定形は使わずに肯定形を使う。
例.
- (?)ネジは回転しないことはない。
- (OK)ネジは回転可能である。 -あるいは- ネジは回転する。
- (?)冷やしすぎないようにすると、鉄は溶けたままである。
- (OK)所定温度以下に冷やさなければ、鉄は溶けたままである。
別の効用もあります
英語・中国語などへの翻訳者が理解しやすくなり、誤訳の頻度も減ります。